(日経xwomanから転載)
前回の投稿から早1ヶ月以上が過ぎてました。この間に様々な社会情勢の変化、生成AI技術の進化、餃子の王将の値上げなど各方面いろいろありましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
昨日のことです。息子(公立中学に通う中1)が突然こんなことを聞いてきました。
「母ちゃん、”けざわひがし” って何した人?世界史で習ったんだけど。」
けざわひがし??
よざわつばさなら聞いたことあるが、たぶん世界史で習わない。一体誰やねんと思いつつ色々聞いていくと中国の歴史上の有名人なのだと言うが、はて、そんな人物聞いたこと…
……!
それ「毛 沢 東」っ!!!読み方違うから!!!!!!!!!!!!!!
・・・という話はさておき、本題に入ります。
私は数年前にDX系の会社を独立起業、夫もIT企業で現在ほぼ在宅勤務のため、自宅でコーヒーを淹れて飲む機会がとても多いのです。そこで先日「うまいコーヒーが飲みたい!!」という一心でちょっといいケトルとドリッパー(ペーパーフィルターがいらないステンレス製)を買いました。見た目もシルバーでカッコいい!
ということで早速コーヒーを淹れてみようと、カッコいいケトルで沸かしたお湯をドリッパーに注ぎ、マグに淹れたてのコーヒーをズズズッと口に含みました…
なんと言いますか…
予想した旨味とは一線を画す、あえて言葉にするならエグ味と雑味のワンダーランド、そして味の深みを一周して通り過ぎた先にある味の浅み…
オシャレケトルとオシャレドリッパーで注がれたオシャレコーヒーは爆裂的にオシャレうまいに違いないと決めつけていた私の想像を遥か斜めに超え、味の向こう側、数学的に言うと虚数領域を脳天に叩きつけられることとなりました…。
今まで飲んでた338円のフリーズドライインスタントコーヒー(40杯作れる)の方が65536倍うまい(※個人の感想です)
なぜゆえ? と思い色々調べてみると、どうやら雑味が多いのはペーパーフィルタを使わないドリッパーの特徴で、それを好まない人はペーパーフィルタを使う方が良いのだそう。また使ってみて気付いたのは、ペーパーレスは使った後、粉がこびりついて掃除がもの凄く面倒でした(ペーパーフィルターは粉をひとまとめで捨てられるメリットもあり)
私は沸いたお湯を粉にドボドボドボーと一気に注ぎ、蒸らしもせず、さらによく見ると使った豆(粉)は1年前のものでした。※挽いた豆が美味しく飲めるのは2週間程度
つまり、このオシャレケトル&ドリッパーで淹れたコーヒーが激苦マズかったのは、オシャレセットのせいではありません。
・フィルターの種類、特徴の知識不足
・挽いてから1年以上経過した豆(粉)
・蒸らしなしの雑な湯そそぎ
いくらオシャレでカッコいい道具を揃えても、これではムダどころかマイナスになりかねません。場面によってはささっとインスタントで淹れてしまう方が満足出来たりもします。
そんなことを考えながらいつものフリーズドライコーヒーを淹れ直して飲んでみると、普通にうまい。
そもそも私は道具にばかり意識が向いていましたが、どんなコーヒーの味を求めていたのでしょう?
それを飲みながら、誰とどんな時間を過ごしたかったのでしょう…
そんなことをあらためて考えてしまう出来事でした。
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「学び直し」についても同じことが言えるかもしれません。
忘れかけていましたが、実は前回の私のブログで「次回は”学び直し”について書きます」と書いていました。
現在学び直しが一大ブームとなり、国を挙げてのリスキリングブームが到来しています。かくいう私も4月からとある社会人大学院に通っています。
大学院での体験はどれも刺激的で、先生方も学生の仲間も本当に皆さん素晴らしく、授業についていくのは大変で必死ですが多くの学びがあり、心から来てよかったと思っています。
そして、この大学院での体験が、このコーヒーの話と似ているなぁと思ったのでした。
・何の為に、何を学びたいのか?
・それを学んで、誰と、どこで、何を実現したいのか?
色んな想いの色んな人がいて、それぞれが好きなコーヒーを飲めばいい。
時にはささっとインスタントで気軽にそこそこ美味しいコーヒーを楽しむのもあり。
その場合はわざわざドリッパーとフィルターと豆を買う必要も、ドリップの技能を磨く必要もないのです。
でも、ものすごく美味いコーヒを「自分で」淹れてみたいなら話は別かもしれません。
さて、私はどうだろう…
インスタントもうまいけれど、
こだわった美味いコーヒーを自分で淹れて、大切な人や仲間と飲んでみたいから。
明日、コーヒー豆を買いに行こう。